小樽で一泊し、この日は山線経由で函館駅まで乗車します。
小樽駅発10時53分の1936Dですが、これを逃すと夕方まで倶知安駅で連絡する列車は無く、また、長万部まで通しの列車もありません。
かつてSL現役の頃の、急行ニセコ が走っていた時代とは雲泥の差があります。
小樽駅は昔ながらの、堂々とした駅舎で、風格があります。
駅構内のランプが有名ですが、ホームの柱にも取り付けられていました。
中線のホームには、札幌方面行きの電車が並んでいます。
H100型 の電気式気動車で、モーターで走行します。
のんびりとした旅ができると思っていたのですが、山線が廃止されるのが報じられたためか、多くの旅行客で立ち席の人もかなりいました。
電気モーターの威力で、オタモイ峠や銀山峠もなんのその、どこが勾配区間か分からないまま、途中の小沢駅で交換のため、しばらく停車します。
長い跨線橋は残っていましたが、既に多くの線路は撤去され、昔のような活況は有りませんでした。
SL時代と比較すると、ホームの長い上屋も無くなっています。
車内アナウンスで、乗り継ぎ列車は1両なので混雑が予想されると告げられ、急いで出口に向かい、なんとかここでも座席を確保できました。
ホームから少し離れた所には、かつて使用されたターンテーブルが展示されていますが、線路は繋がっていません。
倶知安駅では、既に新幹線を見据えた準備工事を行っています。
小樽駅からの列車はこの行き止まり線に停車し、ホームの右側に、長万部行きが上の写真の庫から入線してきました。
車内は満員で、運転席から前方を見ることなど叶わず、車窓から眺めるだけです。
ニセコ駅に着きましたが、反対側のターンテーブルは確認できませんでした。
この先、上目名に向けての上り勾配が続きます。
目名駅ですが、隣の上目名駅は、もうとっくに無くなっていて、駅名標にもその痕跡は見当たりませんでした。
ここから旧勾配のはずですが、モーター音は特に変わらず、また、勾配の終わる直前には長いスノーシェッドがあったはずですが、何もわからないまま熱郛駅に到着です。
次の黒松内駅では、反対ホームの向こうに、かつてのヤードの跡と思しき、平地が広がっていました。
ここからは小さな峠越えで、サミットには蕨岱駅があったはずですが、これまた何も気づかないまま二股駅に到着です。
当初の思惑とは違った旅が終わり、長万部駅に着いた単行電気式気動車からは、大勢の乗客が降り立ちました。
跨線橋から乗って来た列車の回送を見送りましたが、駅構内は広い空き地になっていて、まだ新幹線のための工事は始まっていないようです。
長万部駅の待合室には、新型車両であるH100形のドアの開閉方式が掲示されていました。
長万部駅からは 特急北斗12号 に乗車、途中交換のため駒ヶ岳駅に運転停車しましたが、このあたりでも駅の廃止が進み、駅名標の隣駅の表示は、森駅に書き換えられています。
今回は時間が惜しいので、山線以外は特急を利用しましたが、宗谷本線がいつ廃止になるかも予断が許さず、早々に機会を得て、各駅停車での長旅を楽しみたいと思っています。