小樽築港機関区

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2022年10月14日金曜日

墺太利鉄旅報告(第1回)2019.8.7  by奥

 はじめましてハンドルネーム奥山田と申します。 このブログの主宰者の青葉台さんより、「ブログで発表してきた鉄道写真の進行が現在に追い付いてしまったので次のネタを仕込むまで繋ぎに何か書かないか?」と誘われました。 私は銀塩時代の写真のデジタル化を行ってないし最近は鉄道写真も撮っていないしどうした物かと思いましたが、デジタルカメラへ乗り換えた2014年より年1回ペースで、学生時代からの乗り鉄友人Nさんと海外へ乗り鉄旅行に行っており、画像もそれなりの数あるのでその顛末でも書いてみるかと思い立ちました。 そんな訳でこの場をお借りして数回の海外乗り鉄の記録を発表させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

OGEGが運営するシュタイアー鉄道の6号機です。4日目に登場します。

先ずは今のところ最後の海外乗り鉄旅行になっている2019年8月のオーストリア乗り鉄記から始めたいと思います。

  オーストリア鉄旅報告(第1回)

数年来の恒例となっている学生時代からの乗り鉄友人Nさんとの海外鉄旅、2019年は8月に行くこととなりました。8月は旅行者の数も多くスーツケースを抱えて長距離を移動するのは混雑のリスクが高いと思われるので、1箇所に滞在し、そこをベースに鉄道パスで日帰りを繰り返すパターンが可能で、かつ日本からの直行便のある国という条件で検討した結果、行先はこれまで候補に挙がりながら実現してなかったオーストリア(宿泊地ウィーン、現地7泊)となりました。

本来は旅行全体のスケジュールを先に出すところでしょうが鉄道の画像を見るほうが楽しいでしょうから2日目からの報告開始です。

2019年8月7日(水曜日)
1日目は空港からウィーン中央駅前のホテルへチェックインして終わりなので、乗り鉄話は2日目からになります。
この日は 午前中はLokpark Ampflwang、午後はグムンデン(gumunden)市電訪問という計画です。
 8月7日(水)朝ウィーン中央駅から0655発ザルツブルグ行きレイルジェット(画像左の列車)に乗車。この日訪問したLokpark Ampflwangという場所はリンツとザルツブルグの間辺りに所在するOGEGという団体(Oは正しくはウムラウト付き(OBBも同じ)で、英語で表示するとAustrian Society for Railway History)が運営する保存車輌の収蔵、展示している施設です。
廃止された炭鉱への支線の駅跡を転用した施設のようでした。この日に行ったのはOGEGのウェッブサイト(英語要約版)に当日はOBBのTimelkam駅から送迎の列車を運行するとの記述があったので決めました。

 途中で普通列車に乗り継いでTimelkam駅に到着です。狭く低いホームに降りたのは我々の他2名しかおらず、保存鉄道が走る雰囲気ではありません。
 Timelkam駅の駅舎です。1名だけ勤務していた駅員さんにLokparkへ行く列車の事を尋ねたら、「運行は日曜日だよ。」と言われました。件のサイトをプリントアウトしたページを見せると。「踏切の先に保存鉄道の乗り場があるからそちらに行って見なさい」との事です。
駅の側線にはLokparkの収蔵車輛らしき古い客貨車が留置してあります。乗り場はその先のようです。
 駅の外れにLokpark行きのホームはありました。看板がありますがドイツ語表記のみで意味不明です。が、列車の運行がある気配はありません。製粉工場と思しき引き込み線があり、そこにも収蔵車輛らしき電機が数両置いてあります。
時間になっても送迎列車が現れる事はありませんでした。
詳しい話は省きますがなんとかタクシーの調達に成功し、無事Lokparkに到着しました。
我々をLokparkまで誇んでくれたタクシーです。(タクシー代約€30)
中に入ります。(入場料€9.0)
 客は我々以外には近隣住民が子連れで来た人達がいるくらいで空いています。

 他の客どころか施設の中のスタッフもこの人しか会いませんでした。

モーターカーに乗って奥へ行ってしまいました。先へ進むと色々な車輛が無秩序に置いてあります。


 無火機なんかも収蔵してます。
 トーピードカーもあります。
クロコダイルは完全にジャンク状態状態です。
 テンダーが単体で置いてあったりします。
先へ進むとメインの施設である扇形庫があります。
 扇形庫の扉は2箇所だけ開いています。開いている扉から中を覗きます。
こちらはいわゆる工場のようです。次の扉から中に入ります。
庫内にはお宝車輛が並んでいますが引きが取れないので上手く撮影できません。ここの動態保存車輌の本分はここでの展示や運転ではなくて、各地(ドイツなどの近隣諸国を含む)での出張運転です。
 車輛(特に大型蒸機)はドイツ国鉄の物も多かったです。入ると52と50が並んでいます。50がドイツの中型貨物機で52がその戦時型というぐらいの知識はあります。

 52-3517号機、バスタブ形のテンダーは妻板も湾曲した形状になってるって今回初めて知りました。
 こちらは50-3519号機 案内板などが殆どなく(あってもドイツ語のみ)で由来等はわかりません。
 44-661号機 ドイツの3気筒大型貨物機。ワーグナー形のデフレクター付きということは旧東ドイツにいたのでしょう。
 産業用らしき0-6-0タンク機。ギースルエジェクタ付きだから多分オーストリアの機関車。(赤い動輪はドイツで、オーストリアのは黒というイメージがあったのですがオーストリアも赤が多かったようです)
 86-501号機。2-8-2タンク機。この辺になるとどういった物なのかわかりません。
 770-86号機。動輪が後ろに偏った2-4-0タンク機。昔のTMSのミキストにフライシュマン製だかの製品の紹介がでていた旧バイエルンの近郊用高速機と記憶してます。

38-1301号機。ドイツ国鉄統合前に作られたテンホイラー機をまとめたのが38で38-10は旧プロイセン国鉄のP-8形、8800のプロトタイプになった型式だと思います。
 
形式番号不明のバラバラ状態の機体もありあました。
 これはANNAと名付けられた1106ミリゲージという初めて聞く軌間のロコ(1908年クラウスリンツ製の由)

 52-1198号機。原型のデフレクター無しの機体。テンダー台車が黒いから戦後オーストリアに残った機体でしょうか。
 番号の付いていない機体。形からしてこれも52型でしょう。

庫の一番奥に01型の01-1533がいました。戦後東ドイツで高性能改造された機体です。残念なことに整備中で、特徴あるスーパーナメクジ形ドームカバーが外されていました。
この他にも小型機、ディーゼルカー、客車も沢山いましたがきりがないので画像は省略します。
田舎の荒れ寺のお堂をお詣りしたら重要文化財級の仏像群が安置されていたという気分です。扇形庫を出てその他の収蔵車輛を見て回ります。

 扇形庫の前にも収蔵車輛が並んでいます。この庫は既存の庫の転用ではなくこの施設のために新築した建物のようです。

 転車台の反対側にはディーゼル機関車がまとめて置いてあります。候補の方形庫はディーゼル機用の検収庫なのでしょう。

入口の方に戻る反対側には客貨車が多数います。その中に1輌だけ電車がいました。クモハユニ64000のOBB版といった感じの電車。
冒頭に記したようにこの場所はかって炭鉱の積出し施設の跡地を利用したもので、炭鉱の建物が残されており、内部が公開されます。
 建物最上階より見たLokpark。動態機が出動可能なように扇形庫から本線に繫がる中央の線路は空けてあります。
 同じく最上階より見たAmpflwangの町です。


建物中には鉱山関係の展示(例によってドイツ語の表記のみ)の他、大小とりまぜてレイアウトもありました。当日は公開されおらず扉のガラス越しにしか見ることができませんでした。
 入口の近くにプレイロットがあり、トロッコ遊びができます。汽車好きなら大人でも楽しめそうです。
このLokparkは鉄道ファンの団体が敷地を確保して、幅広く車輛を収蔵している、同一形式を複数両確保している、車輌を放置しておける、広いレイアウトが作れる等、理想に近い施設と言えるのではないかと思いました。OBBの駅まで路線バスで戻ります。

 バス停に向かう途中の公園にも鉱山用のロコや機械が展示してありました。
 この日は平日なので、路線バスが約1時間おきに運行されているの(土曜日は本数少なく、日曜休日は運休)で助かりした。
ポストバスの路線で、現在はOBBが運行しており、鉄道パスが使えました。
路線バスは行きに降りたTimelkam駅には行かず、隣のVocklabruk(こちらの方が大きな町)との間を結んでいます。次の目的地グムンデン(gumunden)へ向かいます。
(次回へ続く)

2 件のコメント:

き さんのコメント...

新しいシリーズの記事は何かな?と期待していましたが海外物とは意外でした。記述の端々で筆者さんの幅広い鉄知識や趣味範囲も窺われて今後が楽しみです。

匿名 さんのコメント...

久しぶりに来てみたらビックリです。
35年前にユーレールパス片手に放浪してました。
また行けることを夢見て、楽しませてもらってます。
アメリカの情報は新鮮でした。