小樽築港機関区

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2023年4月26日水曜日

2015年アメリカ鉄旅(第5回)2015.9.7~9.8 by奥


9/7(月・祝日)サウスショアライン再訪問からシカゴのホテルへ戻り、預けてあった荷物を受け取り、徒歩でユニオンステーションに向かいます。

再開発された部分のユニオンステーション入り口

行程はシカゴユニオンステーション1840発のアムトラック「キャピトルリミテッド号」ワシントンDC行きにピッツバーグまで寝台車(ルーメット、2人部屋)に乗車(到着予定翌朝0507)、ピッツバーグ0730発ニューヨークペンステーション行き「ペンシルバニアン号」(ビジネスクラス)に乗り継ぎ、宿泊地のニューアーク(ニューヨークマンハッタンのハドソン川の向かいのニュージャージー州の町)までの乗車です。(乗車券は2列車通しの発券で、費用は約3か月前のネット予約で二人分約5万円也でした)
発車時間にはまだ余裕がありますがユニオンステーションにはビジネスクラスと寝台車の旅客向けにラウンジがあるとの事なので、早めに行きます。スーツケースを手荷物(Checked Baggage)に託送し(客車内にスーツケース置き場があるので預ける必要は必ずしも無いのですが、日本では絶滅したチッキが健在なので預けてみました。料金は制限以内なら無料。)、ラウンジの入り口でチェックインします(チェックイン時に寝台車の部屋の割り当てと食堂車の夕食の時間を指定を受ける。飲み物以外の夕食の代金は寝台車の場合、運賃料金に含まれている。)
Labor Dayの連休最終日(日本でいえばお盆休みの最終日と夏休み最後の週末を合わせたような日であるらしい)の所為でユニオンステーションは大変な混雑で、ラウンジも結構な込み具合です。我々が乗車したキャピトルリミッテド号(Capital Limited,旧B&O鉄道の看板列車の名称に因む)も満員との事です。今にして思うとよく日本から予約が取れたものです。ラウンジには無料のソフトドリンクとスナックがあると案内にありましたが、ドリンクは紙コップに機械式のドリンクバー、スナックは袋入りの菓子がカゴに置いてある程度ですした。
しばらくして乗車の案内があり、ラウンジから直接ホームに出る通路へ誘導されます。(本来は非常用の通路らしい。)

左側の明るい所はオープンカット部でシカゴ川に面している

右を見ると櫛形にホームが並び列車が待機中

キャピトルリミテッドの最後部
 
乗車を待つお客
 
我々の乗車する寝台車
 
ルーメットの内部(斜めの部分が折りたたまれた上段寝台)
 
向かい合わせの椅子が下段寝台になる

食堂に行って夕食を摂ってる間に寝台をセットされます。部屋の鍵は内部から掛けられますが外部からは掛けられません。夕食は数種類のアラカルトから好みの物を選べます。ステーキをいただきましたが量が多すぎる事もなく美味でありました。食後、ラウンジでコーヒーを飲んで就寝しました。 


ラウンジカー

列車は約1時間の遅れでピッツバーグ(Pittsburgh)到着。一旦待合室に出て預けたスーツケースを受け取り、駅の外を少し覗きます。ピッツバーグは通勤列車等がないようで駅の規模は縮小されています。
 
ピッツバーグ到着

ピッツバーグ駅ホーム

ピッツバーグ旧駅舎のビル

旧駅の横にこじんまりと現駅舎

鉄道駅より大きなバスターミナル

ピッツバーグで発車待ちのペンシルバニアン号(右の客車はNSのインスペクションカー)

乗車案内とともに、ペンシルバニアン号へ乗車。コーチクラス4輌、カフェカー、ビジネスカクラス1輌という6輌編成で最後尾がビジネスクラスの客車です。
ペンシルバニアン号は定時にピッツバーグを発車しました。ビジネスクラスの乗車率は30%程度でした。
発車後カフェカーへ行きサンドイッチとコーヒーを購入(ビジネスクラスはソフトドリンクは一部を除き無料です)座席へ持ち帰って朝食を摂ります。
今回シカゴからニューヨークまでこのルートを選んだのはこれから先にホースシューカーブというアメリカの有名な鉄道名所を通るというのが理由です。ところで、我々が座っている座席の通路をはさんだ向かいの席(列車は指定席と言っても定員制で先着で好きな席に座れる)の紳士が最後部のデッキに行って写真を撮ったりしています。どうも乗り鉄っぽいのです。そのうちその紳士も我々を乗り鉄であると認識したようで話を交わすようになり、色々と車窓案内をしてくれました。とは言うものの例によって解るのは半分程度です。ホースシューカーブ(いわゆるオメガループの大きいもの)はアメリカの鉄道名所だけあって、車内放送で案内がありました。

ホースシューカーブ接近中

ホースシューカーブを通過中

ホースシューカーブは周りの木が伸びたようで写真で見たほど見通しが効きません。肥薩線の大畑ループや、北陸線の鳩原ループも最近は木が伸びて眺望が効かなくなっているので何処も同じようです。
ホースシューカーブを過ぎるとアルトーナ(Altoona)です。件の紳士がペンシルバニア鉄道博物館があると教えてくれます。博物館の反対には旧ペンシルバニア鉄道のアルトナ工場の跡があるそうです。そこで最後部のデッキへ行きます。

アルトーナを発車、左にペンシルバニア鉄道博物館

博物館の横には古い車輌が留置


整備工場らしき建物

右の建物の辺りが旧アルトーナ工場の跡らしい

ハリスバーグ(Harrisburg)が近づくと例の紳士がハリスバーグ手前に石積みアーチ橋が綺麗に見られる場所があるから最後部に行こうと誘ってくれました。 

ハリスバーグ手前の石積みアーチ橋
 
ペンシルバニア鉄道の広報写真などで見るサスケハナ川(Susquehanna River)のアーチ橋でした。これは紳士に感謝です。

ハリスバーグ手前の貨物ヤード

紳士が今度はハリスバーグの構内にGG1が保存されていると教えてくれましたが、修復中なのか囲いがされていて姿は拝めませんでした。紳士は大袈裟に残念がる。Nさんが「貴殿は鉄道関係者か?」と聞いた所アイオワインターステイト鉄道(IAIS R.R.)のチェアマンであると名乗ったそうです。

(参考)シカゴでMETRA車内からみたIAIS鉄道のDL

ハリスバーグからは殆ど満席状態になりました。途中工事区間などがあり、列車は約1時間遅れでフィラデルフィアに到着。チェアマン氏は「ここから進む向きがかわるのでこちらのエンドに電機を連結するよ。良い旅を」と仰って降りて行きました。

フィラデルフィアで反対側へ電機を連結

フィラデルフィアからはいわゆる北東回廊線を進み約1時間遅れのままニューアークペン駅(Newark Penn)に到着しました。わが国では味わえなくなった、良き汽車の旅を満喫する事ができました。

ニューアークペン駅をを発車してゆくペンシルバニアン号

 乗車の列車は両列車とも約1時間の遅れを出しましたが、日本とは鉄道の運行システムが異なり、無ダイヤで長大な貨物列車が走る合間を。借りた線路で旅客列車を走らせているのですから定時運行などそもそも無理なのだと感じました。実際、単線区間で対向の長い貨物列車を待つとそれだけで10分くらいは直ぐに遅れてしまいます。
また、Amtrakの食堂車はトランプ政権下の予算削減などで、現在はメニューが大幅に簡素化されてしまったようです。
なお、Pennsylvaniaのカナ表記はマスコミではペンシルベニアと表記していますが、古い鉄道ファンとして慣れ親しんでいるペンシルバニアを使用しました。 第5回終わり。



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